「読みあい」とは聞きなれない言葉ですね。いったい何でしょうか? それは、ペアを組んだ二人がそれぞれ相手のために本を選び、お互いに“読み合う”ことで、心と心を通わせることを目指す手法です。釧路館では、児童文学者で梅光学院大学教授の村中李衣氏が提唱し長年取り組んでいるこの手法を、市立釧路図書館と共催してワークショップ形式で実施しました。
しかしながら実施したのは1月下旬(1/27)と、学生はテスト間近で忙しい時期。参加者が3名という少し寂しい人数だったので、急きょ読み聞かせに取り組んでいる市民の方々にも加わっていただき、期せずして世代間交流も実現してしまいました(!)以下に、当日の様子とともに「読みあい」の実際をご紹介します。
「読みあい」について説明する前に、講師の村中先生が「絵本が持つ力」や「その場にいる子どもたちを一体化させるコツ」「絵本の細部に描き込まれた意図の読み取り方」などについて、ユーモアあふれる語り口で説明してくれました。そのおかげで、その場にいる私たちもたちまち一体化。
「読みあい」の最初のプロセス。参加者は自分がなりたい「食材」を決めます。じゃがいも、かぼちゃ、玉ねぎ、ほうれん草など、何でもOK。全員と握手しながら自己紹介して(「こんにちは、ほうれん草です」「どうも、豆腐です」)、食材の相性を考えてペアを作ります。
ペアを作ったらお互いにインタビューし合い、その情報と印象を基に、相手にぴったりな絵本を選びます。インスピレーションが大事。そして、心を込めて“読みあい”ます(男同士でもOK)
「読みあい」が終了したあと、一組ずつみんなの前に出て、なぜその絵本を選んだのか、自分のために選ばれた絵本の朗読を聴いてどう思ったかなどについて発表し合いました。相手のことを考えながら選んだり読んだりする「楽しさ」と、自分のことを思って選んだり読んだりしてくれる「嬉しさ」を同時に味わうことができるのが、「読みあい」の魅力のようですね。
最後に、パートナーに対して手紙(ラブレター)を書いて終了。自分の身体や感情を動かしながらの2時間は、あっという間のようでありながら、たくさのことを学んだ充実感に満ちていました。あちらこちらから「参加してよかった」という声を聞くことができたこのイベントを実施してよかったです。機会があれば、ぜひまたこのような企画を行いたいですね。
(学術情報グループ・前田)
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