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学生選書ツアー(平成22年度)

実施報告

学生選書ツアー実施3年目にあたって、今年は教員に協力を依頼し、ゼミ単位による選書ツアーの開催を試みました。おかげで5回の実施で参加者が40名、選んだ本が196冊と昨年と比べて格段に増え、より多くの学生に参加してもらうことができました。選書自体も教員の指導を受けてどんな本を選ぶか下調べをしたうえで、店頭で中身を確認している学生もおり、ゼミや自分の研究テーマに関連した本を探すことができたようでした。

開催日
ゼミ選書ツアー 2010年11月10日15:30-17:30(10名参加)
図書館募集   2010年11月13日10:00-12:00(3名参加)
ゼミ選書ツアー 2010年11月16日10:00-11:30(9名参加)
ゼミ選書ツアー 2010年11月27日13:00-15:00(7名参加)
ゼミ選書ツアー 2010年11月30日16:00-18:00(11名参加)

選定図書購入リスト(全196冊)

おすすめコメント

『体験の語りを巡って』皆藤章著,誠信書房,2010

体験の語りを巡って、人間が「いかに生きるのか」という視座から「物語」というパラダイムについて、また、人間の「くらし」について論じられている。「体験」や「関係」を通して紡がれる「語り」に忠実に丁寧に耳を傾けていく—自分が小さな卵子になって、先生とういう細やかな、とても細やかな襞を持つ壁に、ぽっそりとはまり込んでいるような、そんな不思議な静けさとぬくもりを感じていました—すなわち「関係」という人間の在りようが、ひとりの人間の生きる物語にとって、どれほど大きな意味をもつものであるのかを教えてくれる1冊である。 図書情報を見る

『僕の明日を照らして』瀬尾まいこ著,筑摩書房,2010

一言で言うと、「虐待」についての本です。けれど読み終わってみれば人間同士の絆を感じられるはずです。お互いの弱さを共有して傷みを乗り越えていく。そんな登場人物の姿が浮かんで、最後には爽やかな気持ちになれる一冊です。著者は中学校共有として教壇に立っていた経験もあり、子どもの持つ世界がリアルに描かれています。この本を読んだ後は、是非他のタイトルも手に取ってみてはいかがでしょうか? 図書情報を見る

『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー著,キング・ベアー出版,1996

私が推薦する図書は、『7つの習慣』という本です。私はこれまでにたくさんの本を読んできましたが、この本はとりわけ私の中でバイブル的であり、私の考え方に深い影響を与えた本でもあります。「主体性のモデル」や「インサイドアウト」などの考え方をはじめ、それを実践することの重要性などが書かれており、読むたびにモチベーションが高まります。詳しい内容については、ぜひ本書を読んで確かめてみてください! 図書情報を見る

『DAN教授の家族のこころゼミ』団士郎著,佼成出版社,2010

子どものひきこもり、非行、夫婦不和に離婚問題から実家との関係・・・。長年一緒に暮らしていても、上手くいかないのはなぜ?このような、家族の「困った」を解決する視点や行動の切りかえ方が満載の一冊です。上手に暮らすための家族の方法について学んでみませんか? 図書情報を見る

『重度・重複障がい児の発達と指導法』進一鷹著,明治図書出版,2010

重度・重複障がい児の定義に始まり、教育を充実させるにはいかにすると良いのかが書かれています。一番大切なことは「教師のはたらきかけ」であり、そのはたらきかけをいかにするかの参考になるのがこの本です。様々な障がいのちがいや、子どもにつけさせたい能力のちがいに応じた教材の作り方や活用法がわかりやすい図や写真と共に、詳しく説明されています。パソコンでの教材作成など、障がい児教育に限らず、これからの全ての教育に必要とざれることについても書かれているので、教員志望の人には必見です。 図書情報を見る

『1週間からできる海外ボランティアの旅』地球の歩き方編集室編集,ダイヤモンド社,2008

バイトで貯めたお金もあるし・・・自由な時間もあるし・・・何かしてみたい!!と思っている大学生にぜひ読んでほしい一冊です。旅行で行くのは少し不安な国でも、ボランティアなら参加してみようかな・・・と興味がわく内容になっています。ツアーの内容も詳しく書かれているし、実際に参加した人の体験記を読めば、外国に飛び出したくてウズウズしてくるはずです! 図書情報を見る

『心はどこまで脳にあるか:脳科学の最前線』大谷悟著,海鳴社,2008

この本では、「心」とは何かについて様々な視点から考察されています。哲学的な視点や、物理学の視点、生物学の視点などから「心」にせまっていきます。超能力やテレパシー、合気道などの不思議な現象を真面目に分析していく展開には心がおどります。多くの考察の上、筆者がたどりつくのは、古くて新しい存在論でした。世界とは何か?実在とは何か?西洋的な絶対的存在ではなく、東洋的な世界観に収斂していくのです。大きな関係の中で心を見つけ出す。現代において、日本人の感覚に可能性を感じる一冊です。 図書情報を見る

『イラスト版 自閉症のともだちを理解する本:いっしょに学ぶなかよし応援団』原仁, 高橋あつ子編著,合同出版,2010

この本は、自閉症児とのやりとりの事例をイラストで紹介しています。彼らの反応パターンや、そのとき彼らが何を思っているか、また何故そのような反応が出てくるのか、きっと誰にでもわかりやすい本だと思います。小学校にはほぼ必ずといっていいほど、自閉症の子どもがいます。小学校教諭にならない人も、もしかしたら将来わが子が自閉症の子どもと関わるかもしれないし、その子自身が自閉症かもしれません。だからこそ、自閉症について正しく理解してほしいと思うので、この本を推薦します。 図書情報を見る

『アメリカに犬はいない:ハイブリッドな人間の日米観』武井義雄著,日本経済新聞出版社,2008

人生の半分以上をアメリカで過ごし、日本とアメリカの両方の要素をもった著者だからこそ書くことのできた一冊だと思います。「ハイブリッドな人間」という新しい視点から日米観とらえることができ、今までとは違う日本というものを見つけることができるのではないでしょうか。この本を読むことで、国際化と言われる世の中において私たちはどのような意識を持つべきなのか、考えるきっかけになると思います。 図書情報を見る

『朝鮮戦争:原因・過程・休戦・影響』金学俊著,論創社,2007

私は以前から朝鮮問題について興味があり、朝鮮半島が北と南に分かれたきっかけである朝鮮戦争について知りたいと思い、この本を読みました。この本は主に、朝鮮戦争についての歴史的事実やそれについての様々な学者による分析、さらに著者による分析が書かれています。そのため、朝鮮戦争に関する基礎知識を学ぶのにとても適しています。また内容が章ごとに整理されているので、自分の関心のあるところだけを読むこともでき、調べものにも便利だと思います。 図書情報を見る

『マドンナ・ヴェルデ』海堂尊著,新潮社,2010

本作は『チーム・バチスタの栄光』の著者による、生命倫理を問うシリーズであり、『ジーン・ワルツ』の側面を描いたものである。『ジーン・ワルツ』では帝華大学付属業院で産婦人科医をしている曽根崎理恵と帝華大の教授による対決が主題だったが、こちらでは理恵と、理恵の母親であり患者である山吹みどりが対峙する。読みどころは理恵の医者としての使命感と、理恵の母親であり生まれてくる子どもの祖母となるみどりのぶつかり合い。そしてみどりと同じく患者である一九歳の妊婦・青井ユミの姿である。本作だけでも十分に楽しめる内容になっているが、是非とも『ジーン・ワルツ』も手に取って頂きたい。 図書情報を見る

『物語の<皇女>もうひとつの王朝物語史』勝亦志織著、笠間書院,2008

王朝物語における<皇女>が、どのように描かれ、物語のなかでどのような役割を果たしているのかがわかる図書です。『源氏物語』と『いはでしのぶ』を中心に、「娘」「妻」「母」など様々な生き方をする<皇女>について述べられています。物語のなかの、美しく、強く生きる<皇女>たちの姿は華やかであり、さみしいものでもありました。王朝物語や皇女についてだけでなく、女性のあり方についても改めて考えることのできる一冊です! 図書情報を見る

『女子読み「水滸伝」』秋山久生著,三五館,2010

皆さんは『水滸伝』を知っていますか?『水滸伝』は中国四大奇書の1つであり、腐敗した世の中に忠と義を掲げて立ち上がった豪傑たちの物語です。とはいっても『水滸伝』の主人公は108人と大人数で超大作です。難しい言葉も出てきて、読みにくいという印象を持つ方も多いと思います。ところが、この『女子読み「水滸伝」』は登場人物である2人の女性潘金蓮と張氏の会話形式でどんどん読み進めることができます。これを機会にまずは『女子読み「水滸伝」』から始めてみては…? 図書情報を見る

『ガイドブック社会調査(第2版)』森岡清志編著,日本評論社,2007

サンプリングの仕方、データ分析の方法、報告書作成の要領など社会調査に必要な知識が詳しく述べられています。とても論理的で少し難しいところもありますが、自分に必要な知識の部分だけでも読んでみる価値はあると思います。卒論で調査をとる予定の人にも、予備知識としてオススメです! 図書情報を見る

『ここがポイント!性と生のはなし60選』大戸ヨシ子ほか編著,エイデル研究所,2007

教育現場に出ると、養護教諭に限らず、子どもに性教育を行う場面を経験するだろう。大切なことだとは思っているけれど、何にどう答えれば良いのか、とても難しいと感じる人も多いのでは…?この本は、子どもが疑問に思っていそうな60の場面を取り上げている。また、発達段階を考慮し、障害児や保護者との性に関する対応についても触れているので、様々な性教育の場面を想像しやすくなっている。きっと性教育についてのヒントが得られるはず…!! 図書情報を見る

『学校ソーシャルワーク実践―国際動向とわが国での展開』門田光司著,ミネルヴァ書房,2010

2008年度に実施された「スクールソーシャルワーカー活用事業」。学校が抱える問題に対して教師のみの対応では限界にきているといわれ、学校教育を進める上で欧米のような専門分化した役割で取り組んでいく必要性が現場からも求められている。いじめや不登校、家庭環境など様々な問題を抱える子どもたちの権利の保障を目的として働きかけを行うスクールソーシャルワーカー。その役割についてアメリカや他国の実践を考察し、日本の学校教育現場が求める学校ソーシャルワークの実践方法について考える。 図書情報を見る

『つながり~社会的ネットワークの驚くべき力~』ニコラス・A・クリスタキスほか著,講談社,2010

人と人との関わりがどのように構築されていくのか、より良い人間関係を作っていくには、何が重要かということが、図解を取り入れながら詳しく書かれている本です。まったく知らない人と実はつながりをもっているということを知っていましたか。何気ない行動が話したこともない人へ影響を与えるのです。さらに自分自身のネットワークがいかなるものか再確認できる本です。ぜひ読んでみてもらいたい本です。 図書情報を見る

『べてるの家の当事者研究』浦河べてるの家著,医学書院,2005

「当事者研究」という言葉は普通に暮らす人にとっては聞きなれない言葉です。統合失調症で苦しんでいる人たちが自分のなかの心の中を見詰めたり反省したりして・・なんて話ではありません。自分のことなのに、他人事のように考えてみる。今までだったら、自分の反応に周りは一喜一憂していたのに、べてるの家ではなんのその。リストカットしたって、逃亡したって・・いつもみんな冷静なのです。楽しいことばかりではないけど仲間と一緒になって笑いながら眺めてみる。やればやるほど元気になっていく不思議な研究を一度のぞいてみてください。「自分は自分のままでいいんだよ」悩みやすい現代人にお勧めの一冊です。 図書情報を見る

『ツクヨミ 秘された神』戸矢学著,河出書房新社,2007

この本は日本の神様の中でも知られる三貴神のうちの一人、月讀命(ツクヨミノミコト)について描かれています。他の二神よりもあまり知られていないツクヨミについて、我々が必ず見たことのある月に関連し、その月の持つ力やツクヨミにまつわる物や人からその秘された存在を読み解くことが出来ます。月の力の神秘さやツクヨミの不思議について知ることから日本神話や時代、歴史の面白さを少しでも感じることが出来ると思います。 図書情報を見る

『永遠の花』蜷川実花著,小学館,2006

生花ではなく、造花を。色とりどりの永遠の命を持つきれいな花の中にも、生と死を感じさせるものがあります。風習は違えど、残された者たちの死者への思いは、どの国に行っても変わることはないのではないだろうかと思います。「花は儚いからこそ美しい」ということだけではないと感じさせてくれる1冊です。 図書情報を見る

『「働きたくない」というあなたへ』山田ズーニー著,河出書房新社,2010

「働く」とは?「楽しく生きる」とは?将来についてなんとなく考えられない人も、将来に向けて努力している人も、立ち止まってじっくり考えてみてはいかがでしょう? 図書情報を見る

『怪力乱神』加藤徹著,中央公論新社,2010

中国の文学作品を読んでみたい、だけど漢文を読むのは大変そう…と思っているそこのあなたにこの『怪力乱神』の本をぜひお薦めしたい!この本には、中国の文学作品を通して描かれる人間の心の奥底にドロドロとうごめく怪(怪異、ミステリー)、力(暴力、バイオレンス)、乱(乱倫、エログロ)、神(神秘、オカルト)にスポットを当て、テーマごとに分けられているので、とても読みやすいです。中国文学に興味のある人、奇妙奇怪な出来事が大好きな人にぜひ読んでもらいたいです。 図書情報を見る

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