実施報告
今年も学生の皆さんに、読みたい本、図書館に置いてほしい本を直接書店で選んでもらう学生選書ツアーを実施しました。今まででもっとも多い7名の学生の皆さんが参加してくれました。学生の皆さんありがとうございました。
選書風景 (平成21年11月27日(金)紀伊國屋書店 札幌本店にて)
選定図書購入リスト(全47冊)
選定図書の推薦文
「こんなとき、どうする?発達障害のある子への支援 ; 幼稚園・保育園 (特別支援教育をすすめる本:1)」 諏訪利明, 安倍陽子編 ミネルヴァ書房 2009.3
「こんなとき、どうする?発達障害のある子への支援 ; 小学校 (特別支援教育をすすめる本:2)」 諏訪利明, 安倍陽子編 ミネルヴァ書房 2009.3
「こんなとき、どうする?発達障害のある子への支援 ; 中学校以降 (特別支援教育をすすめる本:3)」 諏訪利明, 安倍陽子編 ミネルヴァ書房 2009.3
最近、発達障害という言葉をよく耳にします。今では1クラスの中に数名の障害児がいるという時代が訪れました。クラスで上手く馴染めない子どもや協調性を乱してしまう子ども、そのような時にどのような方法で対処すべきかを文章と絵でわかりやすく説明と紹介しています。また、幼稚園・小学校・中学校以降と年齢別になっているので各年齢に合った対処法を学ぶことが出来ると思います。
「おりがみよくばり百科 (From・to保育者books:3)」 津留見裕子編著 ひかりのくに 2009.10
幼稚園教諭・保育者を目指す人は、子どもをひきつける様々な技術が必要だと思います。特に幼い子どもは好奇心の塊です。本書は季節や行事など多くの折り紙の折り方が掲載されています。教育者として保育や教育を充実させるための一冊だと思います。
「日本よ、「歴史力」を磨け : 「現代史」の呪縛を解く」 櫻井よしこ編 文藝春秋 2007.9
本書のなかで櫻井氏はこのようなことを訴えている。21世紀は政治力を支える要素が軍事力だけの世紀では、あり得ない。軍事力を凌駕する力としての軍事力に通目せざるを得ない。21世紀においては軍事力ではなく、20世紀という近代史をどう評価・説明するのかといった「歴史力」こそが国家の盛衰と命運を左右する、と。本書は近代史について、戦後日本のマスコミや歴史学会の多数派たる「日本悪玉史観」を事実に基づき理性的に分析・反論・検証を行い、日本人の「歴史力」を涵養することを試みたものである。平成20年3月告知の中学校学習指導要領に、このようなくだりがある。「わが国の伝統と文化の特色を広い視野に立って考えさせるとともに我が国の歴史に対する愛情を深め…」「様々な資料を活用して歴史的事象を多角的・多面的に考察し…」(社会科歴史的分野目標より)しかし、私たちは我が国の歴史や文化、歴史的事象を広い視野に立って多角的・多面的に考察できるような社会科教育を受けてきただろうか。自民党議員が作った「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の2007年の調査報告により、現在中国側が「30万人余」主張している「南京事件」の犠牲者について、1938年当時には国際連盟に対して中国側は「2万人」と申し立て、しかもその申し立てさえも国際連盟に受け入れられていなかったという事実が判明している。にもかかわらず、今日の我が国で使用されている教科書には相変わらず「南京事件」の文字が躍り、上記の事実は一切記載されていない。なんと一面的で狭い視野だろう。本書の主張する理論が、読み手のあなたにとって、所謂「日本悪玉史観」に対するカウンターカルチャー的な位置付けでも構わない。教員志望の皆さんも、そうでない皆さんも含め、多くの人たちが様々な理論や主張に触れ、広い視野に立って多角的・多面的、そして理性的に歴史を見つめ、歴史力を磨くうえで本書は非常に有用であるだろう。
「禁断のメタン菌 : バイオサイエンス小説」 みやびつかさ著 農林統計出版 , 2009.7
みなさんはエネルギー問題や石油燃料の問題についてどう考えますか?石油の枯渇によって、火力発電はそのうち行えなくなるでしょう。それに代わり得るのは原子力?太陽光?それとも、廃棄物が、ヘドロが、生ゴミが、電気エネルギーに変わる?そう、みなさんが普段目にすることのない、新たな燃料の可能性がこの本には書かれています。ただし、新たな試みというのは、破滅への第一歩となりえることもお忘れなく。
「学校では教えてくれないオモシロ科学実験」 篠原功治著 PHP研究所 2009.12
“科学のオモシロさは実験にあり!”中学生からこっち、理科はどうしても苦手という人にぜひ読んでほしいです。シャボン玉やスライムなどの定番や、片栗粉で作るダイラタンシーのような、今にもやってみたくなるオモシロ実験がてんこもり!子どもでもできる簡単な実験ばかりなので、これから教育実習という学生さんも必見です!
「算数のプロが教える授業づくりのコツ」 細水保宏著 東洋館出版社 2009.6
今日、数学・算数嫌いが増えていると言われています。数学が嫌いな生徒は、小学生のとき算数ができなかった生徒が多いそうです。なので、数学の基礎となる算数が好きか嫌いか、得意か苦手かが、数学の好き嫌いを決めるということがわかります。この本は、算数が苦手な子どもを作らないための授業のヒントや、自発的に発言しやすい授業のコツがたくさん書かれてあって、小学校教員を目指す人にとって、とても勉強になり、参考になる一冊です。
「これならわかるパレスチナとイスラエルの歴史Q&A」 野口宏著 大月書店 2005.2
知ってそうであまり詳しく知らないパレスチナ問題が、一問一答形式で読みやすくまとまっています。パレスチナはどこにあり、どんなところなのか、という初歩的な問題から、ユダヤ教やイスラム教の詳しい問題まで、幅広く学べます。
「風の旅 : 四季抄 新編」 星野富弘著 学習研究社 2009.3
私が、この著者の詩を初めて読んだのは、中学校の時でした。教科書に載っていた詩に、当時すごく感銘をうけました。今でこそよく見るようになりましたが、この著者は絵と詩を1つの紙に描いています。この本の大半は1ページに1つの絵と詩で構成されているので、とても読みやすいと思います。図書館で勉強しているときの気分転換に、ぜひオススメです。
「フリーター、家を買う。」 有川浩著 幻冬舎 2009.8
簡単にストーリーを説明すると、仕事をやめた、仕事がない、やる気もない、家族が崩壊した、なんとかしなきゃというようなストーリーです。 正直、どん底です。不幸だと思っているようなことが、意外と幸せなんじゃないかと考えるくらいどん底です。しかし、そのどん底の主人公だからこそ成長が目に見えて表れるのがおもしろいところでしょう。正直、前半は目を背けたかった部分が多いですが・・・。 だからこそ、後半の働いているときの主人公はとてもつもなくかっこいいです。 働くということがどのような意味を持つのか。それは、人によって違うでしょうが、何のために働くのかを考えたいとき。初心に戻ってもう一度働くことを考えてたいとき。そんなときにオススメです。 余談ですが、この作者の本は図書館にいくつか置いてあります。どれも例を見ないすばらしい本ですが、『海の底』という本が私は大好きです。ぜひ、それらの本もチェックしてみてください。
「キャリア教育概説」 日本キャリア教育学会編 東洋館出版社 2008.10
キャリア教育というのが現在注目されているのをご存知だろうか。簡単に説明すると、中学時代に職場体験などで仕事を経験したことがあるのではないでしょうか。それが一般的なキャリア教育です。しかし、キャリア教育とは単に「働く」ということに重点をおいてしまうと、私たちが働いてきた価値観を単に子供たちに押し付けてしまうだけになってしまいます。アルバイトや就職活動が教師となったときのキャリア教育の役に立たないということではなく、それをどのように伝えるか、どこを伝えるかはいくつかの実践例を知らなくてはいけません。そんな導入のために見れるのがこの一冊です。キャリア教育の理念から歩み、実践例、様々な情報が記載されています。他の実践例を確認したくなったときは図書館にキャリア教育の本をいくつかとりよせておいてあります。どれも勉強になると思いますので一度見ていってはどうでしょうか。
参加者募集要項
募集人員:10名(応募者多数の場合は申込書により選考します)
実施場所:(株)紀伊国屋書店札幌本店
実 施 日:2009年11月27日(金) 15:30~17:00
応募〆切:2009年11月24日(火)
応 募 先:図書館カウンター TEL 778-0288(月~金 8:30~17:00の間にお願いします)
応募はメールでも結構です。(メールアドレス: t-unyo@sap.hokkyodai.ac.jp)
件名は「選書ツアー申込」とし、本文には、「氏名」、「連絡先電話番号」、「メールアドレス」、「購入したい図書の分野・テーマおよびその理由」をお書きください。