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18歳選挙権時代の市民が公教育の意義を考えるために

『学力幻想』 小玉 重夫(著)

学力幻想

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推薦者

稲井 智義(いない ともよし) 旭川校 教育発達専攻/講師

推薦のことば

日本の教育論議は、子ども中心主義とポピュリズムという罠を持つ学力幻想に囚われてきた。
前者は、子どものみの視点から教育について考える思想に現れる。
後者は、「みんなやればできる」のように、人々が家族の不平等に目を向けずに過剰に教育に期待する状況を示す。

著者は学力幻想を打破するために二人の思想を参照する。
一つは、全体主義を批判する生涯が映画になった政治学者ハンナ・アレントの公共性である。
全体主義は、現在の友達関係や生徒集団が持つ閉鎖性が示すように身近な問題である。
もう一つは、社会学者バジル・バーンスティンのペダゴジー論である。
著者は、異質な他者同士が出会う空間を教師が創出して子どもに市民性を涵養する、今日の公教育が直面している課題に応答する。
教師になるか悩む学生が公教育の意義を考えるために、「教師である前に市民であること」(167頁)と
著者による東大教育学部附属中等学校平成27年度卒業式祝辞を贈る。

関連推奨図書:映画『ハンナ・アーレント』、小玉重夫『難民と市民の間で』、同『教育政治学を拓く』、
       菅野仁『友だち幻想』、綿矢りさ『蹴りたい背中』、
       朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』、浦沢直樹『20世紀少年』

図書情報

『学力幻想』
小玉 重夫(著)
ちくま新書
出版社:筑摩書房/出版年:2013年/ISBN:9784480067197

※推薦者の所属・身分は2019年3月時点のものです。

記事の種類: 

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