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虫好きな人も、そうでない人も、昆虫の行動や姿に思わず、へぇーっと感心する本

『昆虫はすごい』丸山 宗利(著)

昆虫はすごい

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推薦者

髙久 元  札幌校 理数教育専攻 理科教育分野

推薦のことば

 アリやシロアリの巣内に共生する様々な昆虫の多様性解明がご専門の丸山先生。昆虫学の専門書だけでなく、図鑑の編著にも関わっていて、本書でもその博識ぶりが発揮されています。
 第1章の昆虫の多様性や形態の話では基礎的な知識を得ることができます。例えば、現在知られている昆虫の種数は100万種を超え、日本でも3万種を超えること、ある熱帯地域のアリだけの生物量(その地域の全個体を集めた重さ)が陸上の脊椎動物(両生類、爬虫類、哺乳類など)の生物量をはるかに超えること、「飛ぶこと」「変態すること」が昆虫の多様性を進化させたことなどなど。
 第2章以降は、ご専門のアリやアリの巣内の共生者だけでなく、様々な昆虫の驚くべき姿・形、行動などが紹介されています。例えば、狩りバチは、自分の子どもに、日持ちする餌を与えるために、餌となる昆虫やクモに麻酔をして仮死状態にして鮮度を保ったまま保存します。植物の葉を食べるハムシやテントウムシの中には、植物が出す防御物質(毒や苦味など)を避けるために、葉に丸く傷をつけて、その傷で防御物質をせき止めてから、その内側を食べ始めます。
 小中学生に昆虫のことを教える前に、読んでみてはいかがでしょうか。

図書情報

『昆虫はすごい』
丸山 宗利(著)
出版社:光文社(光文社新書)/出版年:2014年/ISBN:9784334038137

※推薦者の所属・身分は2022年3月時点のものです。

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