『感染地図―歴史を変えた未知の病原体』スティーヴン・ジョンソン(著)矢野 真千子(翻訳)
推薦者
角 美弥子 岩見沢校 芸術・スポーツビジネス専攻
推薦のことば
新型コロナウイルス感染症という「病」の災禍が人間にはもちろん、社会・文化にも様々な影響を及ぼしたことは、今この世を生きる人々には大きな瑕疵となって残ったことだと思います。
人類は遠い昔から疫病に悩まされ、打ちのめされ、それと戦う術を探してきました。世界史を学べば必ず出てくる黒死病や天然痘、現代史では新型コロナの前哨戦のようなスペイン風邪やSARS、あるいは社会的な問題を投げかけたAIDS、今もなお戦っている結核、枚挙にいとまがありません。
この本は、そういった疾病のひとつであるコレラの19世紀イギリスでの流行と病と、当時の攻防の模様を描いたドキュメンタリーです。証拠を一つ一つ重ねて「病」の謎に立ち向かう様子は、このような疾病のみならず真実に対峙する勇気の重要性を私たちに示してくれます。当時の生々しいイギリスの姿も詳しく、ヨーロッパの光と影も知ることができるでしょう。病と闘うたびにそれを克服し強くなる人類の一員として、読んでみてはいかがでしょうか。
図書情報
『感染地図―歴史を変えた未知の病原体』
スティーヴン・ジョンソン(著)矢野 真千子(翻訳)
出版社:河出書房新社(河出文庫)/出版年:2017年/ISBN:9784309464589
※推薦者の所属・身分は2022年3月時点のものです。
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