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昔、むかし、紙芝居は… 紙芝居が持っている教育効果とは?

『国策紙芝居からみる日本の戦争』
神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター「戦時下日本の大衆メディア」研究班 代表・安田 常雄(編著)

国策紙芝居からみる日本の戦争

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推薦者

坂本 紀子(さかもと のりこ) 函館校 地域教育専攻/教授

推薦のことば

現在、幼稚園や保育施設、図書館などで子どもたち向けに活用されている紙芝居は、
戦前、人びとを戦争に駆り立てるプロパガンダ(宣伝活動)の役割を担い、国策紙芝居として利用された時期があった。
戦時下における国策紙芝居の対象は子どもたちだけでなく、その7割は、成人だったという。
幼稚園や学校、会社や工場、街頭、役場などで上演された。

国策紙芝居の多くが、敗戦後、廃棄、焼却されている。
本書は、神奈川大学非文字資料センターが購入し、収蔵している国策紙芝居を紹介するものである。
子ども向けの昔話から戦時下に掲げられたスローガンを強調するような内容のものまで、様々な作品が掲載されている。
作品の図像が載せてあり、その「あらすじ」と「解題」を付けた「Ⅰ 解題篇」と、
「Ⅱ 論考篇」、そして全国に残されている国策紙芝居の「Ⅲ データ篇」で構成されている。

「短時間で絶大な効果をもたらす」といわれ活用された当時の紙芝居をみることによって、
日本の戦時下における大衆文化構造の特質を知ることができる。
そして、紙芝居が子どもたちや人びとにもたらす教育効果について、あらためて考えさせられる図書である。

図書情報

『国策紙芝居からみる日本の戦争』
神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター 「戦時下日本の大衆メディア」研究班 代表・安田 常雄(編著)
出版社:勉誠出版/出版年:2018年/ISBN:9784585270447

※推薦者の所属・身分は2019年3月時点のものです。

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