『プラチナタウン』 楡 周平(著)
推薦者
竹内 康浩(たけうち やすひろ) 釧路校 学校カリキュラム開発専攻/教授
推薦のことば
出世街道を外された総合商社部長が、ひょんなことから膨大な負債を抱えた田舎の町長になってしまいます。
さあ、彼はどうやって難局を乗り切るか、という物語。
単なる娯楽経済小説にとどまらず、現代日本が抱える多くの問題をいかに解決するかという一つの処方箋を提示したものでもあり、
また目的に向かって努力する人々の姿を描く感動作でもあります。
舞台は東北、宮城県の架空の町。
実はこの小説は東日本大震災の前のものなのですね。
そういう意味では、さらに大きな問題を背負ってしまった東北のこれからの復興に向けた、試験のような本だとも言えましょう。
また、設定は行政や会社だけでなく、あらゆる組織の立て直しについてもあてはまると言えそうですね。
空想ではなく、実現可能な基礎の上に希望を描き未来を創ろう、そんな励ましにも思えます。
なお、本作は2012年に大泉洋の主演でドラマ化されています(筆者未見)が、個人的にはイメージが違うなあ。
図書情報
『プラチナタウン』
楡 周平(著)
祥伝社文庫
出版社:祥伝社/出版年:2011年/ISBN:9784396336899
※推薦者の所属・身分は2019年3月時点のものです。
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