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新学習指導要領が目指す算数・数学教育の原点が分かる -統合的・発展的に考察、簡潔・明瞭・的確に表現とは-

『復刻版 算数・数学教育と数学的な考え方 ―その進展のための考察』 中島 健三(著)

復刻版 算数・数学教育と数学的な考え方 ―その進展のための考察

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推薦者

早勢 裕明(はやせ ひろあき) 釧路校 学校カリキュラム開発専攻/教授

推薦のことば

平成29年に告示された小・中学校学習指導要領の算数・数学科では、
目標に「統合的・発展的に考察」や「簡潔・明瞭・的確に表現」というフレーズが、昭和43年告示の学習指導要領以来に復活している。
当時の数学教育現代化運動時代に文部省教科調査官であった著者が、
失敗の時代とされた当時の真意を熱く語り、まさに、現代の預言書のような内容である。

著者は昭和33年告示学習指導要領で「数学的な考え方」という言葉を作り出した人物であり、
「数学的な考え方の育成とは、端的に言って算数・数学にふさわしい創造的な活動をできるようにすることである」と述べ、
そのための創造的な指導を「どの内容かで、どの学年かで1回やればよいというものではなく、
つねにそのような立場に立って学習指導を行うことによって、はじめてその効果が期待できる」と強調する。

「算数・数学で子どもにとって新しい内容を指導しようとする際に、教師が既成のものを一方的に与えるのではなく、
子どもが自分で必要を感じ、自らの課題として新しいことを考え出すように、教師が適切な発問や助言を通して仕向け、
結果において、どの子どもも、いかにも自分で考え出したかのような感激をもつことができるようにする」
・・・私が理想とする授業像である。

図書情報

『復刻版 算数・数学教育と数学的な考え方 ―その進展のための考察』
中島 健三(著)
出版社:東洋館出版社/出版年:2015年/ISBN:9784491031309

※推薦者の所属・身分は2019年3月時点のものです。

記事の種類


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